日立製作所様ストレスコーピング講座の取り組み

(株)日立製作所様ストレスコーピング講座の取組み

ここでは、ストレスコーピング研修の発端である(株)日立製作所様にておいて2008年度~2010年度に実施された「ストレスコーピング講座」について、(株)日立製作所様よりご了解を得た上で紹介いたします。
(株)日立製作所様にて実際に実施されたプログラム内容や受講者の声から、ストレスコーピングの考え方やプログラムについて、理解を深めていただけるのではないかと思います。

尚、(株)日立製作所様の「ストレスコーピング講座」は、当時同社に在籍していたCDPサポート代表上田が、日立メンバーと共に、立正大学心理学部小澤教授と共同で企画・開発し、実施展開してきました。

現在CDPサポートのストレスコーピング関連研修を専門的見地から指導・助言いただいている立正大学心理学部小澤教授は、(株)日立製作所様ではプログラムの共同開発者として、直接社内トレーナーの指導をされています。

ここより以下掲載内容は、2010年7月31日に開催された日本ストレスマネジメント学会第9回学術大会にて(株)日立製作所様が発表された資料より一部抜粋させて頂いたものです。

 


【研修導入の背景】
近年のストレスが強まる一方の労働環境の中で、社員の心身のヘルスケアへの取り組みを考える観点としての、

●職場環境やラインマネジメントに焦点を当てた施策と併せて、社員一人ひとりの
気づきやセルフケアを促す施策を実施していく重要性
●若年層を中心とするストレス耐性強化へ向けた取り組みの重要性

から、「社員自身が自分のストレスに対処すること」を主眼とする「ストレスコーピング講座」を開発し、若年層から若手管理職を中心に実施することを全社施策として決定。

【実施概要】
●実施期間:2008年度~2010年度。対象者:40才以下総合職全員(約14,000人)
●事業所人事部門および産業保健スタッフがトレーナーとして実施展開

【ストレスコーピング講座プログラム概要】

①プログラム特徴
●立正大学心理学部小澤康司教授と共同開発したプログラム

●「個人が自分のために主体的に取り組むこと」を強調
ストレスは日常生活や仕事をする中で誰にでも発生するものであり、自分が活き活きと仕事をしていくためには、自分自身でストレスに対処していくことが大切である、という考え方を前提としている。

●実用性の重視
ストレスには個人差があり、対処方法も一人一人違うという観点から、「自分で考え、自分で見つけ出す」ことを基本にしている。講座では「自己分析作業」を行うことで、受講者は自分のストレスを理解した上で、自分にあった方法を見つけられるため、研修後からすぐにコーピングを実践することができる。

②プログラム構成
●講義:ストレス理論、コーピング方法の解説【1.5時間】
●自己分析作業、グループワーク【1.5時間】
●リラクセーション実習【1.0時間】

プログラム項目 狙い
1.ストレス理論
(1)ストレス理論解説
(2)自己分析作業(自分のストレス理解)
・ストレスと心身の仕組みの理解
・自分の現状を確かめる
(自分のストレス状態を自覚し
自分の傾向や反応を知る)
2.ストレスコーピング方法
(1)ストレスコーピング方法解説
(2)自己分析作業
(自分のコーピング方法見直し)
・自分にあったストレスコーピング方法
を見つける。
・グループワークによりレパートリーを
増やす
3.リラクセーション実習
(呼吸法、瞑想法、筋弛緩法、
統合リラクセーション法)
・リラクセーション法を体感し
実践できるようになる

③所要時間・対象人数
●4時間、20人~30人/回

【受講後アンケート、受講者の声】
●受講者の80%以上が「有益であった」と回答。
●研修満足度 : 5段階評価5点満点中4.0点(受講者6,021人平均)
●講座の狙いである「ストレス理論・コーピング方法の理解」、「自己分析作業による自分のストレス理解」、「コーピング方法の取得」に関する回答が上位(受講者の約7割)

<若手層(20代~30代前半)>
・ストレスは感じるだけではなく、対処する方法があることがわかった。
・自分のストレスについて考える機会を持てたこと自体が有益だった。
・これまではストレス反応が出てからの対処が多かったが、その前の段階でのコーピングも有効であることがわかった。
・自分ではストレスがたまっていると感じていたが、実際はストレッサーは少なく、1つ1つ対処すれば解決できる問題だとわかって気が楽になった。
・他の人とストレスについて話すことができ、ストレスを感じているのが自分だけではないと思えたことで、気が楽になった。
・リラクセーション法はいつでも実践したい。
・継続的に自己チェックを行うなど、予防に役立てたい。
・管理職として部下のストレッサーに気をつけたい。部下にとって仕事のやりやすい環境を整備していきたい。

<管理職(部長層)>
・ストレスを書き出すことで自分自身の状態をよく把握できた。
・ストレスは生産性を保つうえでも必要であり、対処法を上手く活用することで、さらに充実した生活を送ることができるということを理解した。
・部下から相談や悩みを受けた際に、ストレスコーピングをアドバイスの1つとして活用していきたい。
・部下のストレスコーピングの一助として、相談相手となりえるようにしたい。そのためにはまず、自分が部下に対してストレッサーになっていないかを意識する。
・コミュニケーションを通して部下のストレス把握とコーピング支援を行っていきたい。
・自分を見直す機会になるので、なるべく多くの人に受講させてあげたい。

【社内トレーナー養成】
ストレスコーピング講座を社内に広く展開していくために、事業所人事勤労部門および産業保健スタッフに対し、2日間のトレーナー養成講座を実施し、約136名の社内トレーナーを養成。

【トレーナー養成講座概要】
●養成対象者:人事部門112名、産業保健スタッフ24名 計136名(8回に分け実施)
●研修所用時間:1泊2日

プログラム項目 狙い
1.ストレスコーピング講座受講体験 ・実施背景の理解やプログラム理解による
トレーナーとしての動機付け
・トレーナーとしての心得、スキルの修得
・体験を通したプログラム理解の深化
及びストレス耐性の向上
2.ストレス理論・コーピング方法学習
3.ファシリテーショントレーニング